プロセスワークとは
臨床的プロセスワークとは(2)
プロセスワークに限らず、各派の心理療法を臨床的に行なうには、「自我」を支えることが不可欠です。
プロセスワークは基本的に「自我」や「主体」や「私」という言葉を使用していません。代わりに、相対性を意味する用語として一次プロセス、二次プロセスを使用しています。(一、二次プロセスについては別の項を参照して下さい)
なぜならば、仏教や老荘思想が言うように自我や主体、私とはプロセス、流れ、無常における「ある状態」、「仮の姿」に過ぎないからです。それらは不変の確固としたものではなく、いずれ変化せざるを得ません。
にもかかわらず、自我や私を「固定された確たるもの」とする考え方は「実体化」であり、「迷妄/迷い」であり、「幻想」です。
大乗仏教は、この無常論、プロセス論に加えて「空」や「縁」という点からも自我を破壊、相対化しています。
簡単に言うと、「縁」の見方は、「私」は私一人で/個人だけで成り立つ存在ではなく、ありとあらゆる関係性の中で浮上/現象するある点のようなものに過ぎないのです。
ですので、私には、私だけで私を成立させる基盤、根拠はなく、従って私には実体がないのです。そのため中身もありません。つまり私は空なのです。(この「空」の考え方からすると、「私の中身や深み」を取り
扱う深層心理学自体が迷妄の上に成り立っていることになります)
もし、「仏教的な私とは」と問われれば私=関係性または縁となるでしょう。または、私=関係性&流れとなるかと思います。
私や自我を固定した存在と捉えたり、自分は自分だけで存在できると実体視すること、自分には中身や深みがあると自己愛的に捉えることは、仏教的にまた、老荘思想的に誤りです。
しかし、臨床的プロセスワークは、東洋思想的にはマイナスの「自我」
や「我」を大切にしていきます。
なぜならば、「自我」が意識の中心であり、日々の暮らしのまた実際の行動を起こす上での中心機能だからです。
仏教的に自我、自己、私を迷妄と一掃するのでなく、それらにも否定的なものから肯定的なものまで、さまざまなグラデーションや質の違いがあると仮定して、自我の修復、自我のサポート、自我の変容、自我の深化/進化、自我の柔軟化などに関与していくのが臨床的プロセスワークです。
これは、強い自我作りや良質な自我作りを経てこそ、真のスピリチュアリティやトランスパーソナルな次元を体験し、身につけることができるとする、トランスパーソナル心理療法と意見を同じくしています。
※ご参加に際しては、『トレーニングにあたって』を一度ご覧ください。




