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臨床的プロセスワークとは(4)

 

臨床的プロセスワークは「外的/社会的コンテキスト」を尊重します。これは、プロセスワークが、ワールドワークを創始、展開した中で変貌していった一側面です。

 

それまでのプロセスワークは、ユング心理学の流れを汲んだ内面指向のセラピーでした。その傾向は、ユング心理学から変貌を遂げ、身体に関与するようになったドリームボディ・ワーク、プロセス指向心理学の時代でも変わりません。

 

また、当時のプロセスワークは、個人療法中心のセラピーでした。

 

しかし、プロセスワークのクライエント、セミナー参加者にゲイ/レズビアン、性同一性障害者、アフリカ系アメリカ人、フェミニスト、各大陸の先住民、アジア人といったマイノリティの人たちが急増したところから、社会的コンテキスト、ヒエアルキー、ランク(格差)といった外的側面を強く意識するようになります。

 

また、個人セラピーだけでなく、そうしたマイノリティや異文化に合った療法、例えば、グループ療法、家族療法、カップル療法など、つまりワールドワークを積極的に実践し始めます。

 

「外的/社会的コンテキスト」の尊重はプロセスワークの以上の変化の中で生まれました。

 

それは、それまで心理療法やカウンセリングが暗黙に前提として来た「開業での個人心理療法」のあり方を問い直します。

 

例えば、スクールカウンセラーが、開業心理療法家のように、学校のカウンセリングルームで子どもたちや先生方が来室するのを待っているとしたら、そのカウンセラーは先生方や父兄にどう受け取られるでしょうか?

 

おそらく、部屋に引き後もりがちで自己愛的な人間という印象をもたれるでしょう。

 

スクールカウンセラーは、学校と言う外的枠/社会的コンテキストにわせた心理臨床を行なわなければなりません。

 

彼女、彼は相談室から出て、校長や諸先生との関係作りを積極的に行なったり、各クラスを回って「発達障害」などで、授業に参加しにくかったり、友人関係に困難さを抱えている子どもがいないか、観察することなどが求められるのです。

 

別の例として、産業カウンセリングについて考えましょう。

まず、産業カウンセラーに給与を支払っているのは誰でしょうか?

言うまでもなく、カウンセラーを雇っている企業です。

であれば、産業カウンセラーはその企業の利益になるように、企業の外的/社会的コンテキストに添ったカウンセリングを行なわなければなりません。

 

企業の外的文脈を無視した「中立的」な心理療法を実践することはできません。

 

ですので、産業領域でカウンセリングを行なう場合、社員の方に、「カウンセリングの内容は会社に伝わる可能性があります。相談することであなたに不利になるようなことは、よく考え上で話して下さい」と伝え、相談者を守りつつ同時に企業に有益な心理療法を行ないます。

 

また、「個人的なことはここではなく、民間のカウンセリング・ルームでご相談することをお奨めします」などと伝えることになります。

 

つまり、臨床的プロセスワークは、外的/社会的コンテキストを問わずに心理臨床を行なうことはできないと考えるのです。

 

 
※ご参加に際しては、『トレーニングにあたって』を一度ご覧ください。

 

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