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臨床的プロセスワークとは(5)

 

「臨床的プロセスワークとは」の(1)、(2)で述べたように、「臨床的プロセスワーク」は、「自我」を大切に扱っています。

 

これは、「精神世界」や「ニューエイジ」と大きく異なる点です。

 

「精神世界」や「ニューエイジ」との違いをはっきりと打ち出す、トランスパーソナル心理学と統合的心理学の代表的論客、K.ウイルバーによると、「心理臨床」は先ず、良質な「自我」作りを目指す必要があります。そうしてこそ、後に魂やスピリチュアリティ、トランスパーソナルな次元と、良い形で向かい合い、とり組めると言います。

 

自我は聖なる次元、トランスパーソナルな次元を妨害するのではなく、そうした次元に至る前に、良い形で形成されるべきものなのです。

 

プロセスワークやトランスパーソナル心理学について、以上の点がたびたび「誤解」されてきました。

そこで、自我についてこの項で再度述べさせていただいています。

 

心理臨床は流派を超えて自我意識、自我主体、「私」を重視しなければなりません。

それは、「深さ」だけを追い求めるセラピーとも異なります。深さを一面的に追求する心理療法は、神田橋條治先生が言うには、「(心理学的)考古学」です。深さからは、集合無意識的、神秘主義的、スピリチュアルなイマジネーションが止めどなく沸き上がり、私たちの興味は尽きることがありません。

しかし、それはセラピストならびにクライエントの知的および自己愛的興味を満足させることに終始しかねません。

そうした探求は、クライエントの心的利益につながるとは限らないのです。

 

臨床的プロセスワークは、自我のあり方を見極め、クライエントの心的有益さにつながる場合にのみ、また、心的利益に結びつく形で、クライエントの心の深奥に関心を注ぎます。

 

 

次にユングの次の言葉を『転移の心理学』から引用しましょう。

 

「(自我)意識の立場を一貫して支援することは、すでにそれだけで高い治療的意味を持っており、また満足のいく結果をもたらすことが稀ではない、と付け加えるのも無駄ではあるまい。無意識の分析が常に<<万能薬>>であり、それゆえどのケースにも適用できる、と考えるにはいかがわしい先入観である」

 

深い集合的無意識を良く知っていたユングが、自我意識のサポートを重視していた点を、最後につけ加えさせていただきました。

 

 
※ご参加に際しては、『トレーニングにあたって』を一度ご覧ください。

 

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