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トレーニングにあたって(3)

 

良いスーパーバイザーを見つけるにはどうしたらいいでしょうか?

 

(1)それには相性と縁、偶然が1番重要です。

ケースに好影響の及んだ良質なスーパービジョンを受けた経験のある知り合いのセラピストに紹介してもらうことがいいのではないでしょうか。

しかしそれでも相性がありますので、自分の実感を大切にする、少しの期間スーパービジョンを受けてみて、それによって自分の担当しているケースに好影響があるかどうかから、判断するのが良いと思います。

 

一番良くないのは、事例/症例検討を受けたことでかえってケースに悪影響、マイナスの副作用が及ぶことです。

そうした場合はスーパーバイザーと話し合いましょう。

スーパーバイザーと話し合えない場合は、スーパーバイジー側の自己愛の傷つき、転移(特に権威の問題)、あるいはスーパーバイザー側がプロセスワークの「ランク」について無自覚であることなどが考えられます。

そうした時は、スーパーバイザーを変更することも必要かも知れません。

心理療法やスーパービジョンは「心」「主観」「経験」を用いて行なうため、「科学」のように「客観」的に進めることはできません。

ですので、知り合いからの紹介や相性、そして自分の実感などが大変重要になるのです。

 

ところで、多くのスピリチュアルな伝統や武道が、「あなたに先生を必要とする機が熟した時に、あなたにふさわしい先生が現れる」と言います。

この言葉には含蓄があり、そういう意味ではあなたに機が熟すまでスーパービジョンを受けるのを待つということも大切かもしれません。


(2)あなたが「賢いスーパーバイジー」になることが必要です。

重い身体疾患から回復した人の手記を読むと、ある共通点が見られます。その1つが、患者自らが主体的で、自分の病気について当事者意識をもって医者以上に勉強しており、さまざまな点において「賢い患者」になっている点です。

良いスーパーバイザーを探す上で、これはとても参考になるのではないでしょうか?

あなたも主体的な「賢いスーパーバイジー」になる必要があるのです。

 

(3)次に、良いスーパバイザーが、著名な先生だったり、論文や本を何冊も書いているカウンセラー(スーパーバイザー)とは、基本的に関係がないという点を述べましょう。

著名な先生や論文を数多く書いているセラピストで良質なスーパバイザーや腕の良い心理療法家である場合もあれば、そうでない場合もあります。

一方、有名でなくて腕の良い臨床家やスーパバイザーもいれば、そうでない方もいます。

言われてみれば当たり前のことです。

加えると、良いスーパーバイザーかそうでないかということと、頭の良さや学歴、経歴も関係ありません。

そうした諸点や偏見から自由になり自分に合った良質なスーパーバイザーを探して下さい。

 

(4)最後に考えたいのは、良いセラピストが力のあるスーパーバイザーであることは多いのですが、良いスーパーバイザーが腕の良いカウンセラーとは限らない点です。

 

心理療法には、内面のプロセスに丁寧に、細やかに寄り添うことはもちろんですが、それ以外にも、面接枠を作る力、重い人格障害水準の方の行動化を制限する力、医療関係者との連携を図るコミュニケーション能力、開業の場合であれば経営を安定させる能力といったケースのマネージメント能力や現場力が必要になります。

こういったことには心の力に加えて、外的行動力や文字取りの体力、気力が不可欠です。

一方、ケース・スーパービジョンには、そうした現場力や体力、行動力は求められません。
経験や、ケースを見極める力、アウェアネスなどで十分です。

そうした違いがあることを、スーパバイザーを選ぶ上で認識しておいて下さい。

ちなみに、上記の仕事で最も困難なのはクライエントとの実際の心理臨床です。それに比べて、訓練(教育)分析やスーパービジョンは実際のセラピーほどはエネルギーを必要とされません。

それは、スーパービジョンではスーパーバイジーつまりケースを受けもっている心理療法家が主役であり、スーパーバイザーはあくまで脇役だからです。

また、訓練(教育)分析では、被分析家と分析家との間に、「訓練/教育」という第3のものが介在するため、スーパーバイザーは常にワンクッションを置いて、つまり間接的に被分析家と関わることになるからです。

アメリカやイギリスの心理療法機関では、セラピストの体力や気力が低下してくると、現場でのセラピーの数を少しずつ減らしていき、代わりに教育分析や事例/症例検討を増やしていく専門家が多く見られます。

 

あなたにふさわしいスーパーバイザーを探す上で、以上の諸点を参考にしていただければと思います。

 

 
 

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