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うしろ向きに馬に乗る(4)

 

『うしろ向きに馬に乗る〜プロセスワーク連続入門基礎講座〜』

 

(1)ホメオパシー的なプロセスワーク

 

「うしろ向きに馬に乗る」姿勢は「病気や身体症状の中に薬や癒しがある」と考えます。

 

前回お伝話した、「ハチの毒」の中に「薬」があった女性の喩えが、それに当たります。

 

また、ミンデルの最も有名な「胃がん」とのワークにも同じプロセスが見られます。

 

これは「ホメオパシー」、つまり「同毒/同種療法」的アプローチです。

 

禅仏教は「問題の中に答えがある」と言いますが、「うしろ向き」はそれにも通じます。

 

問題の「外」に答えをみつけようとするのが、「前向き」のやり方であるとすれば、「うしろ向き」は、問いの「内」に入り込み答えが浮上するのを、「あーそうか、そうだったのか!」と閃くのを待つのです。

 

(2)スピリチュアルなトレーニングとしての、また、神秘主義としてのプロセスワーク

 

あなたの日常生活が仕事で忙しい(1次プロセス)一方で、あなたの2次プロセスに「穏やかな海辺」というドリーミングまたは夢が潜在的にある場合、この二つのプロセスと、どうとり組むと良いでしょう?

 

神秘主義的なアプローチは、日常生活を今までと同じように過ごしながら、同時に、深層にある「穏やかな海辺」ドリーミングにアウェアネスを向け続けることをアドバイスすると思います。

 

良質なスピリチュアリティの諸伝統は、日々の暮らしを淡々と、粛々と生きることを重視します。

 

禅は、掃除や洗濯といった日常の様々な作業を「作務(さむ)」と言い、とても大事にします。

 

グルジェフの神秘主義を実践している人たちは、自分たちが日々修行をしていることを口にしてはならず、毎日の仕事には精を出し、同時にスピリチュアルなトレーニングに励みます。

 

アメリカではビジネスマンやOLに「隠れグルジェフィアン」がたくさんいます。

 

シュタイナーは、修行の初期においては、あなたがどんなに望んでも、集中的なトレーニングを行なうことを戒めています。それによって日常生活に悪影響、副作用がないように、地に足をつけて等身大で少しずつ瞑想などを行なうことが大切だと言います。

 

あなたは修行を抑制しなければなりません。

 

どうしてだと思われますか?それについてはこの連続講座でお伝えします!

 

ミンデルのセラピストの1人で、『永遠の少年』(紀伊国屋出版)などで大変著名なM.L-V.フランツ女史は、ユングの言葉を借りて、気分屋で無責任な永遠の少年の治療には、心理療法に加えて、「朝起きて外が曇り空でどんよりとしていても、身体がだるくて重くても、前日のように仕事に行き、精を出して、我慢強く粘り強く平凡な仕事をこなすことだ」と述べています。

 

本格的な「深い」心理療法を受ける前提として、仕事や日々の暮らしにおける当たり前の作業が重視されているのです。

 

心理臨床的に言うと、ここでお話しした仕事、日々の作務は、「青虫」が「蝶」になる途上で不可欠な「さなぎ」または柔軟でしっかりとした
「さなぎ作りのための仕事」に当たます。

 

1次プロセスでの「忙しい仕事」は、「穏やかな海辺」ドリーミングを包む、あるいは孕む(これを「インキュベーション」と言います)「さなぎ」のためのものであり、ユングの「ヘルメスの容器」やビオンの
「コンテイニング」を準備するためのものでもあるのです。

 

ですので、良質で/正当な神秘主義、スピリチュアルなプロセスワークに関心のある方は、夢のような2次プロセス(例えば、穏やかな海辺)だけでなく、いや、そのプロセスのためにも、日々の暮らしを、今まで以上に大切にしていただきたいと考えます。

 

 
 

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